個人事業主が消費税簡易課税制度選択届出書を提出する

20161218

「消費税簡易課税制度選択届出書」とは

消費税簡易課税制度選択届出書とは、基準期間における課税売上高が1,000万円をオーバーするなどして課税事業者となる場合に提出する届出書です。(届出書の提出は任意です。)課税事業者とは消費税を納めなければいけない事業者のことで、一般的なパターンとして2期前の課税売上高が1,000万円をオーバーすると課税事業者に該当します。

消費税の納税額の計算は2種類の方式から選択できます(課税売上高が5,000万円以下の場合)。具体的には「原則課税方式」と「簡易課税方式」の2種類です。

個人事業主における「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出タイミング

例えば2016年の課税売上高が1,000万円をオーバーすると2018年度から課税事業者となります。(半期での売上高が著しく高い場合などは例外あり)

前述の通りに「原則課税方式」と「簡易課税方式」の2種類から納税額の計算方法を選択できます。すごくシンプルに書くとそれぞれの方式での納税額の計算は以下の通りとなります。

★ 原則課税方式

消費税額(納税額)=(売上ー経費・仕入)×消費税率

★ 簡易課税方式

消費税額(納税額)= (売上ー売上×みなし仕入率)×消費税率

簡易課税方式を選択すると消費税の納税金額を売上だけで計算ができ、計算が単純化できるメリットがあります。そして最大のポイントは、みなし仕入率が最低でも40%であるために、仕入金額が少ない事業者の場合には節税につながる点です。

なお、手続きを何もしなければ「原則課税方式」が適用されます。簡易課税方式を選択したい場合には「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要となります。

「消費税簡易課税制度選択届出書」の効力は提出日の翌年度からとなります。個人事業主の場合には初年度を除き期首は必ず1月1日ですので、例えば2017年度に適用したい場合には2016年12月31日までに提出しなければいけません。税務署の窓口に提出する場合には、12月31日ではなく税務署の最終営業日が提出期限となるために注意が必要です。

個人事業主の「消費税簡易課税制度選択届出書」の書き方

「消費税簡易課税制度選択届出書」のフォーマットは国税庁のサイトからダウンロードがおこなえます。ここでは個人事業主に特化して記入のポイントをまとめてみました。

個人事業主に特化した記入のポイント

  • 屋号の記入は不要です。(記入欄自体もありません。)
  • 法人番号の入力は不要です。税務署に提出する書類の一部にはマイナンバーの記入が必要な書類がありますが、本届出書ではマイナンバーの記入は必要ありません。
  • 適用開始課税期間はxx年1月1日~xx年12月31日となります。
  • 基準期間は適用開始課税期間の一般的に2年前となりますが、短期間での売上が高い場合などで課税対象となった場合にはこの限りではありません。
  • 事業区分は国税庁のサイトに記載されているフローチャートから判断します。わからなければ税務署の窓口にて確認すると丁寧に教えてくださいます。

簡易課税の事業区分について(フローチャート)

ポイントはこれぐらいでしょうか。参考までに実際に提出した書類を添付します。

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なお、本届出書に限りませんが税務署への提出書類は2枚作成して提出すると1枚は控えとして受領印を押していただけますので自身はそのようにしています。

まとめ

手続き自体は極めて簡単な届出書です。事業者によっては節税効果も絶大なので仕入金額が少ない事業者の方々はぜひご検討してみてくださいね。

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